KMEW「クボタ松下電工外装」という長い名前のサイディング、屋根材,雨どいの企業が昨年から住まいの外観コーディネートコンペティションというコンペを行っている。同社建材を使ったものから優れたものを顕彰するというもので日経アーキテクチャー,日経ホームビルダー両誌がサポートしている。昨年に続き審査委員を務めた。委員長は藤本昌也氏。審査委員が私、井上要さんという女性、上記日経建築誌二誌の二人の編集長それにKMEW社長の計6名である。
自宅の外壁など無地の素板に塗装をして使うことはある。しかし様々なパターンがつけられ表面に厳重な表面処理を施したサイディングが私の設計に登場することはほぼ無いのではあるが、多くの住宅に使用されるこの材料について考えさせられることも多い。この手の建材は外国で見かけることが無く多分この国独特のものであるのだろうが、空気層をきちんとつくりしかも軽い。外装材の持つべき性能としてよく出来ているのだ。
受賞作品だが最優秀は竹原義二さんの北海道での障害者施設内の廃寮を再生させ再度施設に生まれ変わらせたコンバージョンであった。竹原さんによると敷地内に残る二棟の再生計画が始まる可能性があるとのこと、今回の仕事が高く評価された結果であろう。
北海道では性能の向上をも目指し既築の住宅の断熱、通気、外装改修を集中して行っている工務店、藤井建業がある。藤井建業からは昨年も大量の応募があったが今年も際立った応募があった。再生された住まいは住まい手に取り明らかにその性能の向上が実感できるはずである。そうした情報が新しい顧客を作っているのではないか。手法も手際も確立していて、住宅の再生長寿命化の旗手である。30年以上前のモルタルリシンなど断熱気密の問題が未解決で壁内結露などの発生と腐朽が懸念される物件の再生にも手馴れている。これがKMEW賞となった。松永英伸さんの船橋の売り建てが日経アーキテクチュア賞、福岡の柳瀬さんの自然の中の住宅が日経ホームビルダー賞であった。どちらも好ましい佳作である。松永さんは原さんのアトリエ出身であった。
写真一枚とコメントだけで応募が出来ることから、400以上の登録がある。企業の広報という意味でも成果があるのであろう。ほかにパース部門があり、学生、ハウスメ−カースタッフ、設計事務所スタッフが入賞した。(野沢)
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