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コペン ドイツ探索6

20日デッサウ。バウハウスが目的であるが、はじめに州環境省の建築訪問。とてもよい。蛇のように曲線を描くプラン。色の付いたガラスが安心な建築としている。地熱、夜間築熱、アトリウム、色彩、有機的形態などさまざまな今日的テクノロジーがあふれてしかもカタログ的エコには終わっていない。その上思いのほか「けれん」が無い。各所のディテールに感心する。盲人案内、換気と外気取り入れ、天井面反射を促すブラインド、アトリウムの架構など。欧州のオフィスは大半が個室か二人室のようだ。そのことがこのプランの根拠だが、こうしたところの違いは誰か説明してほしい。
バウハウスへ。原状復元が功を奏しとてもきれいである。初めての訪問だが、既視感がある。物が物だけにこれは当然か。閉鎖後の改築、破壊の変遷を写真で確認する。躯体までも改竄されている模様であり、原状復元とは、あの特徴的な開口部のすべてを新規に制作するものであったことがわかる。当然だが照明器具なども新たに作られている。管球までが当時のものと同じなのはどうしたのであろう。壁、梁、天井の色彩復元も根拠のあるものの用である。ただ大量の面積を占めるガラスもシングルのままである。それにしてもこの建築の維持は大変だろう。ブレンネの再生になるカンディンスキー、クレー等の住んだバウハウス職員住宅群へ。ワイゼンホーフを思い出させる。三棟が森の中に建つ。再生して間が無い。ここでは以前訪れたファグス同様薄いペアガラスによって温熱環境の改善を図っていた。ここも資料の写真を見ると数十年にわたり廃墟である。新築同様、放置されていた時期のことがうそのようである。
キャパの写真が証明するように瓦礫から原状を探し元に戻す作業はドイツの多くの都市で行われたことだ。そう考えるとバウハウスの再生も珍しくない仕事なのかもしれぬ。
帰途、ブリッツ訪問。アンクルトムズキャビンのような徹底した整備はいまだであるがサッシ、ドアなど開口部はきちんと改修され住み心地を保証しているように見える。このほうが不思議に時間の流れを感じさせる。例の巨大な馬蹄形住棟の中庭、その中央のこれも馬蹄形の池で女の子二人がおたまじゃくしをすくっている。入り口横のレストランでビール。窓辺の庭、緑の先に湾曲する住棟。景色がうれしい。店主が純朴。アレクサンダープラッツまで電車。ルートを聞いたおばあさんの執拗な親切。ここでも旧東独地域の気風に触れる。テレビ塔を見上げ博物館島へ。今回二度目の訪問。今日、木曜は10時までの開館である。こうしたサービスがうれしい。其の上夜は無料で入場できる。ギリシャ、ローマ、エジプトを見る。ポツダムプラッツで食事。ステーキから始まりデザート、アクアビッツ、コニャックまで一通り食べる。今回のツアーで一番充実のディナー。後、ナショナルギャラリー再訪。さすがに10時には行列は無し。無料ではないが閉館は深夜0時との事。久しぶりの印象派などの絵画。ニューヨーク、メットのものが来ている。知っているものそうでないものさまざまであるが、質の高い作品群。面白かった。北欧大使館をさっと見てホテルへ。明日は帰国である。
(写真上:Umweltbundesamt−UBA okologischer Neubau
    中左:Bauhaus )





















ツアーの印象は雑多である。ひとつは20年ほどにわたる、いわゆるエコ団地を見ていかにもそれが変化の無いものであり、マンネリに見えるものであったことだ。しかも運営をはじめとしてさまざまな課題を抱えているさまを見た。確信的コロニーは高齢化を抱え、新規の居住者を得られていない。通常のシステムでの供給も地域の住宅需要の読み間違えもありだが、不人気のようであった。ただ地域ガス会社の企画運営になる給湯システムをインフラとしている団地は幾分様子が違って見えた。3000平米の集熱屋根で暖房給湯を行うシステムは居住者に大幅な光熱水費の軽減という実効的なメリットをもたらしている。この辺にわれわれの考えるところがありそうである。19世紀末から20年代のドイツの断片、60年代以降のモダン、これらを飛びとびに見て、連邦環境庁を見たことが今日の建築が案外誠実な答えを持っていることを改めて教えているようにも思えた。この建築にはエコからハイテクノロジー、またはモダニズムまでが軽々とコンバインされているように思える。こうした軽がるとしたしかし確かな建築を作り出すことができることが今日の到達点ではないか。よきクライアントの存在があればのことではあるが。

2007年9月25日 11:29 | 野沢正光建築工房 | コメント(0) | トラックバック(0)

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