大阪に宿泊、広島に向かう。久しぶりの阿品土谷病院訪問。もちろん奥村昭雄、まこと氏も同道。建築知識の取材である。設備の一部に変更がされている、本館中庭に一部増築がされその箇所の印象がかわっている、ということはあるが、ほとんどが竣工当時のままといっていい。とてもきれいに使われている。竣工以来20年間動いていた無人搬送車が最近廃止されたとのこと、整備費の負担の増加が問題であったと聞く。機械の陳腐化、劣化は何につけ宿題である。10年前竣工した併設の老人保健施設の庭で土谷太郎さんを思い出しながら奥村さんと話す。
面白い仕事はクライアントがとても素敵なときに発生するものだと思う。阿品土谷病院はそうしたケースであった。一泊し翌朝新幹線までの時間、昭雄、まことと共に基町団地訪問、とてもきれいに手が入れられて嬉しかった。くすのきが大きくなっている。お二人も面白そうに観て回ってくれた。その後平和祈念聖堂へ。まことさんは初めてとのこと。一時修復が急がれると聴いた記憶があるが、既にそれはされているようであった。とても端整なこの建築がきわめて健全に存在する姿にあえてよかった。堂のなかに女の方がおり、地下の聖堂、、パイプオルガンのある聖堂後部の上階、側廊の上部、鐘楼にご案内いただいた。4つの鐘のあるところまで登る。奥村さんにはきつかっただろう。セメントレンガ、鉄筋、おそらく現場製作のプレキャストコンクリート製品、高いものはひとつもないのだが精密にカーブを描く鉄筋の手すり子とそれをトレースしみごとな曲線を描く木製の手すり、石工が刃の目を細かに刻むコンクリートの表面。レベルの高い職人の存在がそこここに見える。



コメントする