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鞍馬天狗とは何者か

通勤の友に「鞍馬天狗とは何者か」小川和也著を読む。
われわれ世代になじみのある鞍馬天狗、これは昔、読んだといっても少年雑誌に掲載されたダイジェスト版の子供用のもの。おもななじみは映画だった。戦後まで書き続けられたこのシリーズだがこの本で戦前にこれを書き続けたことの意味と意図を知った。
「パリ燃ゆ」が朝日新聞社から彼のノンフィクション集として刊行されたとき、熱心に読んだ。きわめて長編であった。アジびらを書き、子供に配らせるヴィクトル ユーゴー、騒擾の場の影で高みより指揮するブランキ、現地にいるような興奮を思い出す。大仏次郎の大衆小説家としての顔とそうではない顔、彼の市民社会の理解を浮き彫りにする。吉川英治、司馬遼太郎との対比、特に司馬遼太郎の明治の人脈評価との違いの指摘は眼が覚めた。採用されなかったクラマノスキーとなった鞍馬天狗がパリコンミューンの夜陰に現れるという着想は柴田錬三郎が横尾忠則と競作した「うろつき夜太」のラストと瓜二つ、これは明らかにこれを知った上の剽窃であったのだろう。1900年の生まれ大正デモクラシーの只中の都市市民、大仏次郎の思考に同年うまれの山越邦彦(1900)ほぼ同年の前川國男(1905)の思考と教養が二枚あわせに重なる。大仏次郎をダイブツジロウと誤読しタ行の書棚に置かれていることがままある、と本書にあった。未読「天皇の世紀」第一巻を購入。全巻を読むことは?(野沢)

2007年4月 3日 18:39 | 本・DVD | コメント(0) | トラックバック(0)

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