藤井厚ニの聴竹居竣工の年、岩波から出た「日本の住宅」を所蔵している。昭和三年刊行とあるから、以来80年近い年月が経ったことになる。実は大分傷んでいた。表紙がはずれて本紙を綴る糸が切れ二つになっていた。思い立って製本のための糸と針、そして背に貼る麻布を東急ハンズで購入、週末に作業にかかった。本紙は四つの針穴で綴じてあり、もともとこの綴じ糸は背の麻布と一体となっていたように見える。今、麻布は表紙の裏紙と一体となり、復元は表紙裏の紙を再度張り替えることによるしか考えられず、やむなく厳重な糸綴じの後、新たな麻布を背に当て接着、表紙をその上に被せることとした。針穴はスムーズに糸を通し作業は順調、製本用の針は頭が丸い、と言うことを知った。表紙の厚紙と背の布が回り込んでいる部分の厚さの違いを硬いスケッチブックで調整し机上で重しをかける。思いのほかきちんとした仕事ができ開閉もスムーズ。今後80年は大丈夫のようだ。
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